パーフェクト・ワールド 第一話
主演の二人が好きで、見ようと決めていた。
ただ、障害者の人が絡む話に苦手意識があり、どうしたもんかと思っていたのも事実。
平たく言えば「感動ポルノ」なんて言われるたぐいのことを、どうしても頭の片隅で考えてしまうからだ。
まあ、ドラマなんだから、障害者が出てくる時だけ、不謹慎だとか妙に真剣な顔しても仕方ないって思う気持ちもある。
だって、いろいろな人物、いろいろな職業の人たちが、ドラマの中では「そんなやつおるかーい!」って状態で描かれているものだから。
そうは言っても、なんとなく、どっかの団体が怒ってきそうだなとか、これを感動してる自分って悪いことなのかなとか、罪悪感がつきまとう。
だから、このドラマの感想を書くことも少しためらってしまう。
主演の二人の見た目も、とびきりイイっていうところが、またこの問題の根深さを感じさせる。
松坂桃李くんはかっこいい。めちゃくちゃかっこいい。
正統派な二枚目だと思う。
イケメンだから、障害者でもアリって思えるんだろ、なんて声が聞こえてきそうで、なんだかビクビクしてしまう。
そして、その彼に恋をする山本美月ちゃんが、また可愛い。
アオイホノオでトンコさんを演じていた時から大好きなんだけれど、本当に可愛い。大好きだ。
だから、山本美月ちゃんを見るために見てるんだ…!などと、言い訳しながら第一話を見終わった。
思いの外、おもしろかったので驚いた。
もっと深刻な話なのかと思ったけれど、きれいなラブストーリーにまとまっていた。
でも、ちゃんと車椅子のシーンのリアリティもあって、感動ポルノ感も少なく、うまいバランスで作られているように思えた。
話の展開はベタだったし、少女漫画的にお約束満載だった。
それでも、不思議と飽きずに最後まで見終わったのは、やっぱり主演の二人に華があるからな気がした。
ずっと見ていたくなってしまうじゃないか。
私が山本美月が好きすぎて、目が曇っているって言われるかもしれないけれど、彼女が演じる女の子には嫌味がなくてとても可愛い。
だから思わず、美月ちゃんがんばれー!と応援したくなる。
なんかね、家に帰ってきて、娯楽としてドラマを見てる時に、嫌な奴とか見たくないんだよね。
あ~素敵な話だったわ~って、そう思って1日を終えたい。
そういう気分の時に、素直でまっすぐで可愛いヒロインの恋物語はぴったり合う。
それはそうと、このドラマ、関東での視聴率が6.9%と、かなり低かったらしい。そして関西では10.3%と、ずいぶん開きがある。
火曜9時(以前は10時)のカンテレ制作の枠は、いつもこの傾向があるけれど、なぜか関西の方が視聴率が良いことが多い。
もちろん、というか、やっぱりというか、私も関西人なので、この枠のドラマを好きになることは多い。
なぜ東西でこれほど傾向が変わるのか、不思議な気もする。
そういえば、歌舞伎の演目も、関東では荒事と呼ばれる勧善懲悪やヒーローモノが人気だ。
私は関西で発展した、和事と呼ばれる人情話や放蕩息子が遊郭で遊び呆ける話が大好物で、昔から荒事には魅力を感じない。
不思議だ、不思議だといつも思うのだけれど、その理由がまったく思い浮かばない。
関東は武家社会だったからとか、関西は商人の町だからとか、一応の説明は受けるけれど、どうにも納得はできない。
そういう意味では、パーフェクト・ワールドはお約束展開の「ベタ」な話と言える。
わかりやすい恋愛ドラマのベタさは、関西人受けは良さそうだ。
でも、ベタだから好きなわけじゃないんだよっていう、この微妙な気持ちをうまく伝える言葉が、今の私にはまだない。